バカンス
「バカンス」という言葉を聞くと、旅行、リゾート地等で観光を楽しむイメージがあるのではないだろうか。
フランスでは、実はこの概念が全く異なる。バカンスは「何もしない」、「自由になるための時間を満喫する」ための時間なのだ。そのため、1日1日を友人や家族、恋人と共に食事や会話、 またはスポーツやシエスタ(昼寝)等、最低限の行動をして過ごす。
そもそも、バカンスの語源はヴァカント「vacant」、トイレの「使用中・開いています」という「空いている」を示す言葉だ。そのため本当のバカンスとは、何もしない、空っぽになること。そう考えると納得する。
フランスにいた頃は、友人の両親が所有する南仏の別荘へよくお邪魔したものだ。その別荘で過ごす時間は主に3つに別れる。
①三度の食事
②昼寝
③プールまたは川で泳ぐ
①に関しては、朝はバゲット、もしくはスーパーで調達したパンやマドレーヌ、ジャムにコーヒー。昼、夜はバーベキュー。食後は必ず昼寝をするか、プールまたは川でひと泳ぎ。それからまた昼寝。この一連のコースが延々と繰り返される。
始めてのバカンスの過ごし方に、私は少し面食らったものだが、本来の意味のバカンスを考えると納得する。ただ、慣れるまでにかなりの時間を要した。
フランス人は、本当に生きる・暮らす事がとてもシンプルだ。バカンスの過ごし方を見ていると、本来、人間はこうあるべきなのかもしれないと思えてくる。
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